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REPORT / 2026-11

川崎の町工場 AI検索 実測レポート(2026年11月)

公開 2026年11月1日 調査・執筆 ナモシル

要点

川崎周辺の町工場6社について、発注者が聞きそうな質問を各3問、ChatGPT・Gemini・GoogleのAIモードに聞きました。合計54回の回答のうち、対象の会社が候補に挙がったのは26回(48%)です。

加工名や自社が発信している言葉で聞かれると上位に出る一方、加工名を知らない発注者の言葉(例:「ステンレスの丸い部品」)で聞かれると、ほとんど出てきませんでした。

調べたこと

発注担当者が外注先を探すとき、検索エンジンの代わりにChatGPTなどのAIに相談する場面が増えています。AIは答えの中で3〜8社ほどの候補を挙げます。そこに入っていなければ、発注者の目に触れることはありません。

そこで、川崎市高津区・中原区・多摩区などの受託加工の町工場6社を選び、それぞれの得意分野について発注者が聞きそうな質問を3つ作り、3つのAIで確かめました。

結果1:54回中26回(48%)

AI登場回数登場率
ChatGPT10 / 1856%
Gemini8 / 1844%
GoogleのAIモード8 / 1844%
合計26 / 5448%

会社ごとの差は大きく、9回中8回出た会社もあれば、2回しか出なかった会社もありました。

会社業種登場(9回中)うち1位
A社精密板金85
B社薄板の精密板金74
C社試作板金42
D社切削33
E社へら絞り21
F社旋盤21

結果2:発注者の言葉で聞くと出ない

同じ会社でも、聞き方によって結果がはっきり分かれました。

会社聞き方結果
E社(へら絞り)神奈川でへら絞りを試作1個から頼める会社は?2つのAIで候補入り(1位と2位)
E社(へら絞り)ステンレスの丸い部品(カバーやフード)を小ロットで作れる会社を川崎で3つのAIすべてで圏外
G社(精密ピン)※超硬やセラミックスのピンを1本から作ってくれる会社ChatGPT・Googleともに1位
G社(精密ピン)※金型の部品が壊れたので、同じ形のピンを急ぎで1本作ってほしいGoogleのAIモードで圏外

※ G社は追加調査(下記)の対象。

へら絞りという加工名を知っている発注者には届くのに、「丸い部品を作りたい」という発注者には届いていません。この質問では、へら絞りの工場は1社も挙がらず、板金工場が候補になっていました。技術はあっても、発注者の言葉で書かれた情報がないことが原因と考えられます。

結果3:AIは自社サイト以外も読んでいる

B社は自社のホームページが見当たらないにもかかわらず、9回中7回登場しました。製造業向けの企業紹介サイトに、得意な加工や設備が詳しく載っており、AIはそれを参照しているとみられます。

また、GoogleのAIモードは、Googleマップの会社情報(評価や口コミ)を強く使って候補を選ぶ傾向がありました。ChatGPTやGeminiで1位だった会社が、GoogleのAIモードだけ圏外になる例もありました。

結果4:「1個から対応」は書かないと伝わらない

「試作1個から頼める会社」という質問では、公式サイトのよくある質問などで「1個から対応」と明記している会社が上位に来ていました。A社は1個からの実績があるにもかかわらず、その言い方をしていないため、この質問では3〜6位にとどまりました。

追加調査(部分)

同じ地域の3社について、GoogleのAIモードで各3問を追加で確かめました。登場は9回中3回でした。ある精密板金の会社は、ほかの会社向けの質問では上位に挙がるのに、自社の強みである極薄板・極小部品の質問では3回とも出てきませんでした。

今日からできること

  1. 発注者の言葉で、作れるものを書く(用途・形・材質・数量)
  2. 「1個から」「図面なしで相談可」など、対応範囲をはっきり書く
  3. 製造業向けの紹介サイトに、得意加工・設備・ロットをそろえて載せる
  4. Googleマップの会社情報(業種・写真・説明文)を整える

詳しくは町工場のためのAI検索対策ガイドにまとめています。

測り方の限界

このレポートは毎月更新し、同じ方法で変化を追っていきます。

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